はて、WEBにはどう使えばいいのだろうか?
これが、僕がペルソナに出会った時から抱き続けている、考え続けている命題です。

僕がこれまでにWEBディレクションというかWEBブランディングというもののために、使ってきた(ことがある)ものを調査系のものをまとめてみました。

・クライアントヒアリング
・ユーザヒアリング
・アイトラッキング調査(あんまり詳しくない・・・)
・キーワード調査(キーワードアドバイスツール)
・アクセス解析調査
・ヒューリスティック調査
・競合他社調査
・ユーザクレーム調査

こんなものでしょうか。
もっとあったような気がしますが、よく使うのはこんなもんかと思います。
あくまで、調査に絞った話ですが。

で、これを元にユーザ体験シナリオを作ります。
某ナントカロープが大好きなものです(笑)
ユーザ体験シナリオとは「ユーザがWEBサイト上で体験する最高の体験シナリオ(ステップ)」です。これはこれで、ユーザ中心設計の肝だと僕は思っています。

よくあるのが、サイト構造やデザインを作り上げ、ユーザビリティー調査をして問題があがったところをを修正しよう、という話。しかし、そこからでは修正も大変だし、いくら被験者を連れてきてチェックしても根本的な構造の欠陥の場合、ユーザにすら見つけられない可能性もあります。被験者は今目の前にあるものを基準にチェックするわけですから。

そうではなく、それ以前に「制作段階でユーザの行動する通りに作ろう」というのが、ユーザ体験シナリオです。非常に単純な話で「WEBサイト上で目的を持ったユーザがA→B→Cと動くなら、その通りにコンテンツを配置してやれば、迷わないジャン」という話です。その結果できたサイト構造、画面レイアウトを持ってベータ版を作成し、プロトコル分析をする方が、いきなりベータ版を創るより遥かに精度の高いコンテンツができるのでは?と考えています。

そこで、ペルソナです。
上記列挙した各種調査も、ユーザ体験シナリオも「ブレないユーザ」があってこそ、のものです。「調査のための調査はしない」という話を聞いたことがありますが、まさしくそれ。「ユーザ」という一つの方向性があって、そのユーザの行動の仮定のもとに、全ての調査や施策が決まる。ですから、WEBサイト構築におけるペルソナというのは、ユーザ体験シナリオを決定する上でも大変重要なものになると考えます。

目的のみで切り分けた「ユーザ」ではなく、個人のセンスに任せていた「どのような心境でWEBサイトに訪れるのか」「どのような人物がWEBサイトに訪れるのか」というバックボーンを固め、より「強固なユーザ」となるペルソナ。

ペルソナ × ユーザ体験シナリオ

実は、これこそが最強のWEBサイト構築ロジックなのではないかと、今は考えています。
2007.11.25 Sun l WEB関連 l COM(0) TB(0) l top ▲
基本的には「ユーザ」のことなのだが、世間で言うユーザとはまた違う。
違うというと御幣がありますね。「もっと詳細なもの」ですね。

我々WEB屋もそうですが、「ユーザ」というと「20代OL」とか「若者・女性」とか曖昧に設定しがちです。いや、これ自体が曖昧ということもまだ世間には認知されていないかもしれません。しかし、仮に「20代OL」としたときに、プロジェクトメンバー全員、クライアントが同じユーザを描けているかどうか。難しいでしょうね。例えば、東京丸の内に勤務するOLと、横浜に勤務するOLとでは生活スタイルもかなり変わるでしょう。ということは、ニーズも変わるということです。

大げさな例になるかもしれませんが、東京のマンションを探しているOLと、神奈川県内のマンションを探している人では、ニーズも変わってくる。「じゃあ、地域の指定も入れればいいじゃないか」という話になるわけですが、ユーザを設定するときに「あれが含まれて、これが必要で」というところから話をしても、今度はそこで行き詰ると思います。個人の価値観が介入しすぎるから。

だからこそ、ペルソナなのですね。
ペルソナはユーザを曖昧なものにせず、名前や家族構成、居住地域、趣味や癖、価値観など完全な「一人の人間像」を作り上げます。そうすることで、プロジェクトメンバー全員の「ユーザ」の共有が可能になる。そして、全員が「ペルソナの満足のために」という方向で話をすれば、プロジェクトの方向性もブレません。せっかく決まった仕様が、クライアントの上長の一声で一気に変わる、なんてことも防げるわけです。

ただ、「架空のユーザ像を作り上げる」という作業については僕にとっては目新しいものですが「ユーザの満足のために」ということ自体は、そうではありません。僕がいた某ナントカロープではペルソナこそ創らないものの、ユーザははっきりと特定しています。年齢や地域などは入れません。WEBですから。

「何を目的にWEBサイトに訪れるのか」
これによって、ユーザを切り分けます。商品を探しているのか、採用情報を探しているのか、IR情報を探しているのか、商品における業界知識を探しているのか、見積もりをとりたいのか、契約者で現在の自分の状態を知りたいのか。それを元にニーズを各種調査から抽出し、問題点を列挙し、改善策を練る。その際の、決定思考は全て「全ての決定をユーザのために」です。

なので、ユーザの目的さえはっきりしていれば、「プロジェクトの方向性をブレさせない」ということはある程度可能です。が、しかし。そもそもの「ユーザの目的」を割り出すところで、その目的の重要度やそもそもの目的の抽出の際に、ペルソナは大いに役立つのではないかと、多少情報デザインをかじった今は思います。ユーザ像を明確に描けるわけですから。「この人、何がしたい?」と考えやすい。

ペルソナ。
きっとこれから、ペルソナが僕の脳内で喋り出す日が来るのでしょう。
まるで、天の声のようにペルソナと会話ができるようになりたいですね。
2007.11.22 Thu l 情報デザイン l COM(0) TB(0) l top ▲